ストーブの前に置いた雪でさえふたり、溶けだして近くなろうとするのに、僕が触ってみれば雪はこんなにも冷たい。雪は僕と同じではない。
僕がこの世界に受け入れられるのは、死んだときだろう。そう思う。
思えば、僕らが身体から出すものぜんぶ、身体には要らないものだ。涙も糞も精液も。
僕たちは、根本的に世界と相容れない。
それぞれが、雪の中、一人ぼっちだ。
同じ存在は、一人としていない。
僕たちは寂しい。
『同じ気持ちになって、同じことを感じて欲しかった。』
同じになれなかった失敗と、わかってあげられなかった失敗と、わかることを拒絶された失敗と、
失敗の数々が、降り積もるのを眺めながら、歩いている。


