クリスマスという人を少し勘違いしていた。
まず、彼(ら)に、悪気はない。
赤と緑と白、あとは金と銀のギラギラした光たち。
無神経に僕らに介入して、なにかを強要する、ほんとうに嫌な奴らだと思っていたけれど。
彼等は、心の底から、「世界中が、テーマパークのようなハピネスに、包まれたらいいのにな」と考えているのだな、無邪気に。
ミッキーマウスがいれば「ミッキーだ!」と手を振るのと同じように、クリスマスが来たから「クリスマスだ!」と手を振っているだけなのだ。
彼等にとってクリスマスは、街中がテーマパークに変わる特別な日、ということらしい。
勝手に舞台に上げられて、参加キャストにさせられることが、腹立たしかったのかも。
レッドとホワイトのコーディネートも、
テーマパークに行くときに、耳をつけてみるノリと変わらない。
恋人と腕を組んでイルミネーションの街を歩くのも、
いちごのショートケーキを買ってみるのも、
プレゼントを開けて喜んでみるのも、
その舞台に相応しい役で、適切なアクションをしてるだけなんだ。
「楽しい」んじゃなくて「楽しんでるノリ」を、楽しんでる、のだなー。
でもやっぱり、どこへ行っても同じ音楽が流れ続けるのは、勘弁してほしい気がする。
悪気はないとしても、数日でその魔法は解けるとしても、やはりこの世界はテーマパークではないのだから。


