#47 医療全般:健康診断について

nishi01

正社員の方は、社保の健康診断を受けない方は少ないでしょうが、非正規の方とか、アルバイト掛け持ちで、みたいな方とか、年齢にもよると思うのですが、症状はないのに事前に検査するってコストと比較して、どう考えればいいのだろうか、と思ってしまいます。 そりゃ受けた方がいいよとか、お金がないなら献血してみると、血液検査はしてくれるよとか雑談では言うのですが、この辺りのコメントもいただけるとうれしいです。

 

健康診断って、一応、法定項目があって、これこれはしっかりみておくべし、みたいなルールがあります。雇用者の義務なので、働いている人自身の義務ではないのだろうと思いますが、それなりに項目が増えてきている歴史があるので、そこはまあ、働いている人については、外せないというか、受けておいていただく方がよいのかもしれません。

健診の法定項目についてはこちらhttps://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000136750.pdf

 

さらに、特定健康診査というのがあって、こちらはメタボリックシンドロームを対象とした健診になっています。これは40歳から74歳の方が対象。国民健康保険の加入者は保険組合からの補助が出ているので自己負担額が少ない形で受診できます。

特定健診・特定保健指導について

 

たとえば高血圧とかって、放置するとやっぱりいろいろ重大な疾患を発症させることがある、ってことになっているので、ときどきはみておいた方がよいんだろうなあって思います。で、健診に近い採血項目は、献血したら、検査してくれて、しばらくしたらハガキで送ってくれます。

健診に無くて、人間ドックにあるのは「がん検診」系の項目ですね。

胃がんについては「胃部透視検査」。いわゆるバリウム検査が一般的ですが、最近はピロリ菌の存在などを判定する、胃がんリスク層別化検診(ABC検診)というのができました。

これは採血で、胃がんのリスクを評価してくれる、というものです。

大腸がんについては、便潜血の検査が一般的です。できるなら健診当日までに2回の便検査を採取して提出していただきたい、けれど、1回なら1回で検査できるところもありますので相談してください。

あとは胸部X線検査が、肺がん検診ってことになっています…。もともとは結核の検出が目的だったんですけれどねえ…時代は変わったなあと思います。

この辺の項目は早期発見、早期治療がけっこう有効ながんでもあるので、検診が大事だと思います。ある程度の年齢になっておられるのであれば、一度受診してみてください。

ちなみに、人間ドックと健康診断の厳密な違い、って、じつは、ありません。

ドックと呼べばドック、健康診断と呼べば健康診断、ドックの方がなんとなく項目が多い、リッチな気がする、くらいの違いで、健診施設ごとに項目や差のつけかたが違います(法定項目は網羅するようになっているはずですが)。

何らかの形で病気を発症したときに、「以前いついつまでは異常無しだった」ってのを証明する…あるいは「前からこの部分は異常があったので変化がない」みたいな判断にも使えますので「発症時期の限定」をするためには、健診を受けておいていただくのは大事なことなのかもしれません。アルバイトでもそれなりの日数同じところで働いていると、健診の対象になったりすることもあるのですが…。

健康診断を受けない方が元気で長生き、という主張をされていた方もありました。曰く、検査しなければ異常は発見されない(ので元気でいられる)。この考え方はどうなの?って思いますけれど、健診であちこちの企業の様子を拝見してきた者から言わせていただくと、やっぱり自分の身体のために時間をかけられるかどうか、ってすごく違います。

職場での健診だけじゃなくて、異常があったら受診することができるとか、虫歯の治療をきっちりしているとか、そういう部分ですけれど。アルバイト掛け持ちなんかだと、自分の体調をケアしたり、受診したりする余裕も、あまりなかったりするかもしれませんので、健康診断を受診できない、っていうことよりも、必要な時に受診することが後回しになる、っていう部分のことが心配になってきます。

あとは、生命保険なんかに入るときに、健診の結果が良好だと掛け金が安くなる、なんてこともありますけれど、同時に保険加入の時に軽い健康診断を受診してもらう、なんていう形のものもあります(これは保険会社が支払いますのでタダで受診できることになっているはずです)。

いろいろ、受けておいた方がよいのだけれど…って話はある、ってことですが。なかなかそういう情報があっても、受診する、って行動にはなかなか繋がらないのが実状ですよねえ。難しいところです。