月経困難症、月経前症候群、更年期障害と遺伝

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祖母は、生理が重かったことは一度もないそうですが、私の生理は重く、母も更年期の症状に悩まされていたように思います。これらの症状に遺伝の要素はあるのでしょうか。

氏か育ちか、って話、結構どこででも出てくるよねえ。医学的に言うなら「遺伝素因と環境因子とどちらが大きいですか?」ってな話になってくる。

たとえば、肥満なんかは、家族が肥満だと肥満になりやすいんだって。…へえ。じゃあ遺伝なの?って話になるのかもしれないけれど、別の研究では「親しい友人が肥満ばっかりだと本人も太る」っていう話もある。この肥満の友人が、どのくらい、何に影響しているのかはわからないけれど、最近はやりの腸内細菌には、肥満になりやすい菌ってのと、やせ菌みたいなのがあるらしい。で、そういうのがやりとりされてて、肥満になりやすい菌が共有されると、肥満になりやすい、とかってこともあるみたい。

時々さ。逆に「痩せてて、なんとかして太りたい」みたいな人もいるのよ。そういう人にこの肥満菌を移植した、みたいな話があったりする…んだったかな。ええと。潰瘍性大腸炎の人に糞便移植をしたら、ドナーがわりと肥満の人だったらしく、治療を受けた人が肥満になった、っていう話があった。

じつは、糞便移植で死亡例もでているので、安易に行うわけにもいかない、って話になってたんだと思う。最近は、有用な菌の組み合わせで安全を確保して、腸内細菌のバリエーションを増やす、とかってやってるんだけれど。

一生懸命、腸内細菌のことを語ってどうするんだよ。わたし。

 

体質の話だよ。で。友人の腸内細菌の一部が、密接な関わりの中で、接触を介して微妙にうつっているの、かもしれないよねえ、っていう私の妄想だよ。

ちなみに、家族の場合はもっとハッキリわかっていて、っていうのは、腸内細菌はわりと若いころにひとまず定着して安定するらしいので、その時期までにどんな形で菌を共有できるのか、ってのが課題になってたりする。良い細菌叢が共有できると良いんだけれど。ねえ。

…っていうような、腸内細菌の話が、月経困難症に関係しているのか、どうか、ってのはどうなんだろうねえ…って思ってちょっと調べてみたら。月経前症候群(PMS)と腸内細菌叢の関係は微妙にありそう。https://symgram.symbiosis-solutions.co.jp/column/0018

どのくらい関係してきているか、はわからないけれど、腸内細菌叢って、漢方的に話をすると、いわゆる「胃腸」の話でさ。その部分って、五臓の分類で言うと「脾」なのよ。これを西洋医学的な脾臓と同一で考えると何がなんやら、って話になるんだけれど…そういう定義をする人によると、脾臓じゃなくて、膵臓の働きだよ、っていうことなんだけれど、そういう部分だけじゃなくて、脾=土って、さ、まさに腸内細菌でしょ、ってなる。月経前症候群(PMS)の人って、わりと脾虚になってる人が多いから、その辺が腸内細菌の変化で出てきたんじゃないかなあって。

で。月経困難症と腸内細菌の話はねえ。具体的に言及している場所はなかったのよねえ。

 

月経困難症の病態はだいたいは血瘀(けつお。「血」の動きがわるくなっていること)だったりするから、そのもとに脾虚が入ってくるか?って話を考えてみると、ちょっと微妙に遠いのよねえ。むしろ寒冷とか、湿とか、気鬱とかかなあ。ってことになると、ものの動きが悪くなっていることに関係しそう。

現代人の生活の中では、身体をあまり動かさなくなってきた、っていうのは、月経困難症と関係があるのかもしれない。あとは、腸内細菌じゃなくて、食生活で、血を作る食事がわりと重たいのかもしれない。この辺、改善してほしいので、是非、邱紅梅先生の『生理痛は病気です』を読んでもらいたいと思っているのだけれど、そっちに日々の養生が書いてある。

 

遺伝の要素がぜんぜん無いか?っていうと、例えば月経困難症の中でも、器質的な異常がある月経困難症の、子宮内膜症なんかは、内膜症になりやすい遺伝子の変異っていうのは報告されているhttps://www.ims.riken.jp/2010/07/001341.php から、遺伝の要素はそれなりにありそう。ただ、親子って、遺伝だけじゃなくて、生活のスタイルが似てくるから、その中に月経困難症になりやすい生活パターンが組み込まれている可能性はある。食事とか、入浴の習慣とか、運動?身体を動かす仕事や習慣とか。きっとそういう生活のスタイルの方が影響しているんじゃないかな、って私は思っている。

更年期障害は遺伝の要素がありますか?ってのは、ちょうどそういう答えを書いてあるサイトがあったけれど。https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/qa/menopause_Q05.html 基本的には遺伝しない、って書いてある。ホルモンの感受性が…とかって書いてあるけれど、それよりもやっぱりエストロゲンの影響がなくなってきたときに、今まで無理してきていたことの反動みたいな形でいろいろな症状が出てくるのだろうと思うから、日々を丁寧に、無理しないように過ごしていくことが大事、ってことになる。

こっちもさ。親が更年期でしんどい、ってのを見てきた、みたいな人って、結構まじめに仕事やってしまう人が多いんじゃないかなあ。だから、似たような生活スタイルになって、無理を積み重ねて、っていうことになると、親子で似たような更年期の不調が出てくる、ってことは十分にありそうよねえ。あまりそういった世代間の伝播はしてほしくないけれど。

なので、素因としては遺伝する部分がある、けれど、実際にしんどい症状がでてくるかどうか、っていうのは、その人のその後の生活などの方が大きなウェイトを占めているんだと思う。むしろ同時代に生きている同世代の方が生理痛を共有していたりとか(そんなもの共有しなくていいんだけど!)。

どこかで、おばあちゃん世代の若いころみたいな生活スタイルに戻して、生理痛?なんだいそりゃ?ってすっとぼけられるようになったら良いのにねえ。って思う。うっかり普段、技術が手伝ってくれたりするから、楽している、ってこともあるし、それを享受しながら、良いところ取り、っていうのも難しいんだろうけれど。