初潮と、生理の安定性の相関関係

nishi01-01

初潮の時期と、それ以降の生理の安定性に、相関関係はありますか


月経のはじまりを初潮とか初経と呼ぶよね。ひとによって、その時期は微妙にちがうけれど、最近は早い方だと、小学校の3−4年生くらいでも月経がくる、ってことがあるみたい。

これはおおよそ身体の成熟…ってことは栄養状態なんだろうけれど…と関係がありそう。

あまり早いと思春期早発症って呼ぶことがある。思春期早発症は、そのままにしておくと、骨端が閉じてしまって、骨の伸長ができなくなってしまうので、低身長になってしまう懸念があるから、治療の対象になることもある。http://jspe.umin.jp/public/sishunnki.html 小児内分泌学会のWebサイトによると、女性の場合は10歳ころから思春期の変化が出てくる、っていうのがまあ、標準的だけれど、これが2−3年早まると、ちょっと早いかな、って話になってくるらしい。(乳房の発育から順番にはじまるので、初経の平均はおよそ12歳くらい。)

逆にゆっくりな場合には何が起こっているのだろうねえ…ってことなんだけれど、あまりゆっくり過ぎると原発性無月経、って呼ばれる。これは18歳になっても月経が一度も認められない場合。ただ、わりと多くの方が15歳前後では初経を認めるので、それ以降はちょっと遅かったねえ。ってことになる。

(1)原発性無月経の定義
・ 原発性無月経は「満 18 歳を迎えても初経の起こらないもの」と定義されている.この基準に従えば,満 18 …

そして、思春期の月経の周期っていうのは、しばらくは不安定だったりする。これは排卵がなされていない(無排卵周期)だから、っていうことになっている。だいたい、3年くらいすると、排卵がされるようになって、安定してくることが多い、って話になっている。

女の子のからだの悩み

 

わたしも思春期のデータとしてきっちり持っているわけじゃないので、はっきりしたことは言いづらいのだけれど、排卵がされるようになれば、わりと安定してくる…って言いたいところ、なのだけれど、これも人による、ってしか言えなかったりする。

 

いやさ。産婦人科医としては、月経周期が長くて、年に数回しか月経が来ない人がいらっしゃったら、「一度は受診してくださいね」って言うんだけれどさ。わりと友人なんか身内に結構そういう人が多くて。で、どうしてるか、っていうと、まあ年齢的にまだそんなに心配な病気が出てくることも無いだろうし、様子見ようか、って返事になる。

もともと月経って、妊娠出産の準備、なわけだから、妊娠出産の準備ができた!っていうところまではそんなに必要ないわけでさ。結婚してから月経周期が安定した、とか、そういう話だって聞いたことがあるので、不安定っていうのが、どういう状態によって起きているのか、によるんだよねえ…。

 

私がお世話になった、ベテランの助産師さんは、思春期くらいに、素敵な、しかし身体を傷つけない(ってのはプラトニックに、ってことね。)恋をしなさい、っておっしゃってた。そういう気持ちが、子宮を育てるんだ、って。なんとも科学的ではないんだけれど、文学的にはとっても納得している。

 

子宮とか卵巣さんたちって、私たちが今生活しているような世界がそのまま見えているわけじゃなくて、身体の中にやってくるホルモンとか、その他の栄養物質なんかの状況から、今の世界がどんな風になっているのか、っていうのを想像しているわけで、さ。やっぱり安定して食事がある、とか睡眠が取れているとか、ストレスが少ない、とかそういう状況が、妊娠出産には良いよねえ…って考えているんだろうと思う。だから、そういう安定があれば、わりと月経の周期としても安定してきやすいんじゃないかな、って。で、逆に、結構ストレスがきつい、とか、眠れない、とかそういう時は、今度は身の危険がある前に子孫を残そう!みたいな反応が出てくる場合もあるから、そうなると、また、妊娠しやすくなるのかもしれない。

 

そういう身体の持ち主の心理状況をどう拾っているのか、っていうのは謎なんだけれど、どこかでそういう情報を把握しているような気はするんだよねえ。

 

月経周期の安定の話だったけれど、妊娠出産にほどよい状況…ないし、ここで妊娠出産しないと子孫を残せない!的な緊急状態だと安定しそう。で、今はそうじゃない、妊娠出産はあまり考えられない、っていう場合はちょっと不安定になる人もいるのかなあ、って思う。初経のタイミングとは、直接はあまり関係はないんじゃないかなあ、って思っている。