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2024/12/2 明るいあの星は木星

むずむずする夜は、一年で一番深い夜に向かっていく、いて座の季節のせい。でも、今年は大丈夫。この夜に、木星がいてくれるから。薄まっていく空色も、藍に飲まれる橙も、仄かにかおる桃色も、寂しくないや。太陽と...
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2024/11/25 東京に住むということ

情動に突き動かされて駆け抜ける人生は、不幸だろうか。春の夜に心中をしたあの二人は。真冬に裸足で歌っていたあの人は。怒りに身を震わせながら、束の間の多幸感に包まれながら、冷めえぬ高揚を持て余しながら、同...
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2024/11/18 むぎ日記

南北に伸びる道の上で、覗き穴から、僕は向こうを見通そうとする。ぴゅーっと風が、穴を通り抜けてゆく。まっすぐな道が、心細い。これは、秋のせい。僕は、帰ることにする。夜中、風は続いた。扉がぎぃ、と少しだけ...
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2024/8/24 おとめ座のために旗をなびかせて

君がみようと決めたものを、僕もみることにしようと決め、君がみないことにしようと決めたものを、僕もみないようにすることに決めた。君は、トランポリンを跳んでいる。それは深く沈むほどに高く跳べる、と君は言う...
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2024/7/28 むぎ日記

星は、自分が光っていることをわかっているのかな。その光は、必ずしも明るいとは限らない。ときには不穏で、ときには悲しげで、ときには怒っていたりする。その光を無視できなかった人が、星をみるんだと思う。君が...
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2024/7/15 橋の上は少しだけ涼しい

子どもの頃、橋を渡るのが怖かった。渡っている間に崩れませんようにって、いつも祈っていた。渡るときは小走りで少し息を止めて、向こう側に辿り着くと、ほっとした。僕は、川が怖かったのかもしれない。途中で止ま...
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2024/6/21 夏至と満月

世の中の占い師は、「一粒万倍日」やら「皆既日食」やら、何か極端な状態を、大げさな言葉で尊んだり、あるいは恐れたりする傾向があるように思うけれど、僕はそのどちらもどうかと思う。それはまるで、一年で一番暑...
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2024/5/28 僕はふたご座の弟子

それは、もう100回に満たない気がして、丸々3日分にも満たない気がして、その間じゅう、僕が君にあげられるものは何もなく、君を思っていることの証明は何一つできない気がして、そういう順番に僕たちの人生を作...
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2024/04/21 雲の上を歩いている

僕たちは坂を上りきったのかな。雲の上を歩いているみたいに、ふわふわしている。そういえば、この季節の空気を、肺いっぱいに吸い込むのは、ずいぶんひさびさだ。色んなものが坂道から転げ落ちないように、色んな人...
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2024/03/31 桜、見える形の更新

まるでガムのように、未来に引っ張られながら、過去に引き留められる。きっとこれが「慣性の法則」だ。“昔”が夢に出てきたりなんかして、“今”が未来に向かって出発進行しようとするのを、ほんのわずかでも遅らせ...