忍耐強さを試されるような季節が、ひたひたと訪れて我慢比べをしようと誘う。
僕の中のどこかにある負けず嫌いが、売られた喧嘩を買おうとする。
いやいや、こんなのは泥試合だ。付き合ってはいけない、と顔を上げるも、街は浮かれ始めていて、誰もが誰かが引き金を引くのを待っているよう。この雑踏の中、誰が道を示してくれるというのだろう。
それは、誰にも拭き取られない水。
心に浸透して冷たくなる。
それをかなしい・さびしいと言う。
泣き疲れた僕は、真夜中の住宅街を歩く。
空を見上げれば、静かに星が光っていた。
ただ静かに、星は光っていた。


