2025/01/01 今年の運勢なんてみない

占い

僕は去勢をした猫だ。だから、雄でも雌でもない。生まれたとき、雄であったが、もう雄ではない。

この時期、テレビをつけると男と女しかいない気がする。女が普段より着飾っているからかもしれない。年末の男女に分かれて交互に歌を歌う番組のせいかもしれない。お笑い芸人の殆どが男のせいかもしれない。
よくわからない。

お店も、しばらく休みらしい。
こんな日は、僕の仲間はどこでなにをしているのだろう。

街を歩けば家族連れや対になった男女が歩いている。
すれ違いざまに、「こっちが現実だよ」と、普段は僕なんか、視界にも入れない人が言う。

ひどく足が冷たくなって、頭が熱をもってぼーっとする。

なんだか、鳴いてしまいそうな夜だ。

去年は色々なことをした。友だちもできた。重要な文章をいくつか書くことができた。冒険みたいに、探検みたいに、前に進んだのだ。それは決して夢でも幻でもなかった。今日は、その続きに過ぎないのだ。

それだけが、今日の僕を支えている。

誰のどんな歌も僕を代弁しないのだから、僕は自分で自分の歌を歌う。

今年の運勢なんて、絶対見るもんか。