医療系専門学校時代に、循環器の先生が、「妊娠可能の年齢の女性が院に来たら、婦人科系の主訴じゃなくても、まずは妊娠を疑え」と強調していらっしゃいました。それだけ女性の身体表現に対する妊娠の影響は大きい、という意味だと思ったのですが。それとも、処方や処置を選ぶ際に母子を伴うというリスクに配慮しろ、という意味だったのでしょうか。
女を診たら妊娠と思え、ってのは医療者の教育の中でもしばしば言われます。うっかりそれを忘れてレントゲン撮ってしまった!(胎児の被曝による奇形の発生リスク)とか、異所性妊娠(いわゆる子宮外妊娠)の腹痛とかでしょうかねえ。
あとは、胃が痛いって、いろいろ薬もらってたけれど、気づいたら妊娠していて、つわりだった、みたいなこともあるようです。本人も自覚していないこともありますから、注意が必要ってことなんでしょうかねえ。
見落とすと結構つらいことになりますので、あたまのどこかには妊娠の可能性、っていうのを常に置いておく必要があります。
最近は私は「女を診たら妊娠を思え」って自分で言い直しています。妊娠に向けた診療、あるいは妊娠の可能性、それが引き起こす体調の変化、いろいろありますので。そういう意味で、質問していただいた通り、妊娠による影響も、診療による妊娠への影響も両方考えるべき、っていうことですよねえ。