臨床での「異常」と「正常」の弁別

nishi01-01

西村先生は、ご自身の臨床で「異常」と「正常」の弁別を行いますか

辻本先生から、ざっくりと質問を頂戴した。異常と正常の弁別を行うのか?って話。

「はい」か「いいえ」で答えてください、ってことだったら、「はい」ってことになるんだろうと思う。医療の臨床ってのは、やっぱりいくらかの「弁別」ってのが必要な場所なのだから。

 

そもそも最初のところで、「正常と異常の区分って難しい」って話を書いたとおり、なんだけれど、まあ弁別しなきゃならん状況ってのはいくつかあるんだろうと思う。

 

1)本人の自覚症状があって、かつ、検査でも異常値ないし、異常な所見がある場合

2)本人の自覚症状はあるんだけれど、検査では異常は指摘できなかった場合

3)本人の自覚症状が無くて、だけれど、検査で(健診なんかで)異常な所見が見つかった場合

4)本人の自覚症状もなくて、検査でも異常な所見がなかった場合。

 

こういう、おおよそ4つの状況の中で、検査の異常じたいも、まあ、放置していても特に問題がない異常ってのから、やっぱり大騒ぎして、治療なり精密検査につなげた方が良い異常、ってのまであるわけで。後者なんかを「レッドフラッグ」って呼ぶらしいよねえ。

 

こういう、レッドフラッグはちゃんと弁別して、なんなら、ちゃんとした病院や診療所につなげなければいけない、ってのが医療者の仕事のひとつ、だよねえ。

自覚症状だけあって、検査で異常がない、ってのを「不定愁訴」って呼ぶらしいけど。これはまあ、検査じゃないかたちで診ていく必要があるよねえ。

産婦人科診療では、不定愁訴って、更年期障害にかならずつきまとう言葉になってるけどねえ。なので、わりと診てきたし、得意な領域だけれど。だいたいは筋肉の緊張があるのよねえ。症状に関連するような場所に。

 

極論すると、不定愁訴=コリだと思ってる。

 

この辺はお医者さんよりも鍼灸師さんの方が詳しいはずなので、辻本先生に聞いてみてくださいね。