健康について 1:WHOの健康の定義

Staff Blog

健康について、短文を書き綴ってみようと思います。

WHOは健康について、憲章前文において以下のように定義している。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」

これは1947年の採択である。悲惨な大戦を経た人々が選んだ、とても斬新で、まっすぐな志、澄んだ青空のような定義である。

のちに、1998年の執行理事会において、「spiritual(霊的)とdynamic(動的)」を加えた新しい健康の定義が検討され、結果、採択が見送られという。医学という科学の世界に、宗教的な要素を加えるべきなのか、といった議論が展開されたのかもしれない。

われわれは、何かの概念について考えるとき、その反語から考えだしたくなる。

「健康」とは何か。

それがわかりにくいときは、その反語を「病気」として、「健康とは、病気ではない状態」とする。これで、分かりやすくなった気がする。だが「健康」の反対語は「病気」ではない。そういう形で、反対語などは、存在しない。「健康」と「病気」は独立した概念であり、関連性はあっても、相関性を担保しない。

WHOの健康の定義を読むと、問題は、このレベルの話ではない、ということだけはわかる。