お灸は、体のその場所を暖めるものではありません

エッセー

寒くなってくると、体を温めてくれるお灸を楽しみにされている患者さんがたくさんいらっしゃいます。お灸はもぐさに火をつけて体の上に置くので、ホカロンや湯たんぽのように、お灸を置いたその場所を暖めるもの、というように理解してらっしゃる方が多いようですが、ちょっと違います。

お灸は、体を温める機能を高めてくれるツボを選んで、その場所に置いていきます。ツボを熱刺激することで、熱を生産する機能をONするわけです。

したがって、足先が冷えているからといってその場所にお灸をしても、その場所がツボに該当しない場合は、温める効果はお灸が点いている間だけということになります。