平均寿命世界一。香港における中医について #2

身体へのヒント

前回は銅鑼湾にある、私が伺っていた鍼灸院をご紹介しましたが、今回は香港の医療事情について。

研修先の鍼灸院は、香港島の中心地でしたが、私が宿泊していた下町・九龍城の辺りでも、商業地・住宅地を問わず東洋医学の鍼灸院が並んでいます。

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香港では、肩の痛みや腰痛などで、整形外科にかかることは、まずありません。

街のあちこちにある『骨科』と書かれた鍼灸院にかかります。こちらでは、鍼や灸はもちろん推拿と呼ばれるマッサージなど、東洋医学的な施術が行われます。

他にも、目・耳科、消化器・循環器科、婦人科など専門化された東洋医学施術院が街にあふれ、一般病院よりもはるかに多く目につきます。

香港は、中華人民共和国とは違った医療行政システムでありますが、施術方法は、世界的主流である中医学がメインとなっています。

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医療関係者にとって、香港の重要な関心に「平均寿命が世界一」である点が挙げられます。

2015年の日本人女性の平均寿命は87.05歳、男性は80.79歳で、いずれも過去最高を更新したのですが、女性は香港に抜かれて世界2位、男性は3位から4位に下がりました。

ちなみに。2016年の香港の女性の平均寿命は87.34歳、男性は81.32歳で、男女とも世界一となっています。

このエッセーでも紹介いたしましたが、香港市民にとっては東洋医学が医療サービスのファーストチョイスであるわけで、このことがそのまま一概に平均寿命に寄与しているとはいえないでしょうが、それでも、このことはわれわれ東洋医学にかかわりを持つ人間にとっては、とても意を強くするものであります。