腰痛に鍼は効くのか? –朝日新聞デジタル・アピタルの記事

身体へのヒント

大野智 大阪大学大学院准教授 大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座 准教授/早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 客員准教授 先生が、腰痛の鍼について記事を書いていらっしゃいます。以下記事の抜粋です。出展はこちら

—–記事抜粋—–

◎推奨2:慢性腰痛に対して、臨床医および患者は、運動、集学的リハビリ、鍼、マインドフルネスベースのストレス軽減(中等度の質のエビデンス)、太極拳、ヨガ、モーターコントロールエクササイズ、漸進的リラクゼーション、筋電図バイオフィードバック、低出力レーザー、オペラント療法、認知行動療法、脊椎マニピュレーション(低い質のエビデンス)による非薬物治療をまずは選択すべきである (グレード:強い推奨)

個人的には、腰痛患者に対して、まずは薬剤を用いない方法(非薬物治療)を試すことが推奨されていることに驚きを感じました。また、非薬物治療の中に、鍼(はり)が含まれている点も興味深いですね。

せっかくこれだけのリソースがあるから、というわけではないのですが、腰痛で悩んでいる人は、鍼も選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

ただ、もちろん手放しに鍼をおすすめしているわけではありません。鍼にも頻度は少ないものの副作用があります。
代表的なものとしては、目眩(めまい)、ふらつき、疲労感、倦怠感、眠気などがあります。

また、鍼を刺しますので、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人は出血などに注意が必要です。抗癌剤治療をおこなっていて白血球が少なくなっている場合も感染のリスクがありますので避けるべきでしょう。

どのような方法でも同じなのですが、リスクとベネフィットをよく吟味して、理解・納得した上で、選択の意思決定をしていただけたらと思います。