医療 (類似) 行為に関して、関係者がやってはいけないこと

エッセー

医療行為に対する私の立ち位置は、以下の2点をクリアしていれば、なんでもOKというものです。

1.患者が、より可能性の高い手段を選ぶことを妨げない

2.経済的な脅迫をしない

1について。

私は東洋医学の鍼灸師なので、東洋医学が患者さんの病症を対策するのに役に立てばたいへんうれしいですが、東洋医学はオールマイティであるなどと、独善的な立場に立つものではありません。

患者さんが、西洋医学と東洋医学、鍼灸とマッサージなど複数の対策を選ぶことに何の問題も感じません。

ただし、それらが矛盾した方向に向かっていくことは無意味です。
医師が喉の痛みを取るために乾燥を防ぐ薬を処方しているのに、鍼灸師は体の水分が外に出るような施術をする、というようなことです。
患者さんが困っていらっしゃる病症をできるだけ早く取る、というのが目的でありますから、このような事態は避けなければなりません。

私どもの鍼灸院では、患者さんが服用されている薬を伺います。

薬の名前がわかれば、医師がどのよう目的で処方を行っているかがわかり、鍼灸施術がそれを補佐する、あるいは邪魔をしない、ということが可能になります。

2について。

それが患者さんの生活を経済的に圧迫しないのであれば、(極端に言えば) 奇跡の壺を買われるのもOKだと思います。

ただし、それが人助けであるのなら、その代金は「壺の原価」であるべきです。

もちろん、壺に「医療効果」があるとは思っていません。
ただ、医療行為とは「患者さんの病症を取り除く一切の作業」だと考えているので、ジャニーズのライブで大騒ぎるのもOKですし、おいしい食べ物を食べに行くのもすばらしい。壺は縁結びのお守りと同じです。

ただし、くれぐれも壺は原価でお買い求めください

由緒正しい神社のお札が、1万円もすることはありません。まともな宗教であれば、「金をはずめば、効果が高い」などということもありません。